4月6日(土)心肺停止から9日目。
主治医に家族の決断をする約束の日だ。
意識を取り戻す気配無し
生きている事、心臓が動いている事
蘇生後脳症や低酸素脳症
これらから早期に復活する人は3日~7日程度で意識が戻る例もあるようだ。
数十年かかって目覚める事もあるほど、脳の不思議はある。
今の段階で脳波はゼロだが、それが脳死とか植物人間だとか、判断出来る人が
いるのだろうか?確かに意識もなく昏睡状態である。
『今意識の無いtaka34さんに苦痛となるPCPSの再挿入はしませんで宜しいですね
心臓マッサージは?、AEDは?、人工透析は?、』先生の言葉は正しいかもしれないが
容赦のない言葉に心がえぐられる。
か細い声で妻は『今生きているtaka34が急変したときに何もしないでいいとは言えない、生きていて欲しい』
主治医は、最終責任者として私に、医療の方向性が出ないと、引継ぎも出来ない
他の先生もどうすればいいのか判断できない、バキバキに折れたあばらが肺に刺さろうと心臓マッサージをするんですね。言い放つ言葉に愛情を感じる事が出来ない。
最も子供を愛する母親が、息子の命の選別が出来るはずがなく、答えのない
問題をいくら話し合っても平行線となってしまい、生きるための薬剤処置は当然で、
それ以外の蘇生処置も電話連絡を貰うまではしていただく事となった。